* * Life is not worth living without you. * -   * * - ndex
**・,,・**・,,・**・,,・**・,,・**・,,・**・,,・**・,,・**・,,・**

小さい頃から俺とはずっと一緒に居た。


昔は俺の方が小さい位だったのに、あっと言う間に追い越して


何時の頃からか、俺が上からを見下ろすのが自然になっていた。







― Mischievous mind ―







11月11日






今日はの誕生日。


俺達の両親は仲がよくて、毎年お互いの誕生日には誕生会が開かれる。


今年はの家で誕生日会をやるから、って事では朝からずっと俺の家に居る。


母さん達いわく、主役は遅れて登場するものらしい。
















「ね、宗ちゃん!今年は何のケーキ?」


「さぁ?俺が買ったんじゃないから」


「でも、選んでくれたんでしょ?」


「うん。でも教えない」


「えーいいじゃんっ」


「ダメ」







お願い!なんて言って、はもどかしそうにベッドを叩いた。


そんな可愛い事したってダメな物はダメなのに。







のそういう所、昔から変わらないね」


「宗ちゃんこそ全然変わってないと思う!」


「そう?俺は結構変わったと思うけど」


「全然変わらないよ!!秘密主義な所とか!」


「……そんなにケーキが気になる?」


「うん」







子供みたいにが笑うから、俺もついつい子供扱いをしてしまう。


頭の上にポンと手を置いて何度か優しく撫でた。


子供扱いしないでよ、って言ってスグに振り払われたけど。







「あんまり可愛い事するとキスするよ?」


「う…」


「あっ、そうだ。に誕生日プレゼントあげる」


「……プレゼント?もうくれるの?」


「うん。ちょっと立って、目を閉じて」







あ、ドキドキしてる。


そうしてろって言ったのは自分なのに、妙に誘われているような気分になるのは何でだろう。












「もういいよ」







目を開けた瞬間のの表情は、多分ずっと忘れないと思う。







「……これが、プレゼント??」


「そうだよ」


「って、ただのポッキーじゃん!!しかも1本!」







俺の手からポッキーを取ろうとが手を伸ばしたから


俺はに取られないようにサッと腕を高く上げた。


あ、すっごい悔しそう。


には言わないけど、からかうと凄く面白いんだよね。


飛んだり跳ねたりして必死にポッキーを取ろうとするも可愛いんだけど


あんまりやりすぎるとポッキーが折れちゃうよ?







「ちょっと宗ちゃん!!」


「なに?」


「何って…」


は今日何の日か知ってる?」


「あたしの誕生日」


「じゃなくて、ポッキー・プリッツの日」







しかめっ面のに笑顔でポッキーを渡すと


「わけわかんないよ…」と小さくぼやかれた。







「じゃ、くわえて」


「えっ…」


「俺がくわえてる側でも良いんだけど……嫌でしょ?」


「って言うかポッキーゲーム自体嫌なんですけど」


「え?聞こえない」


「都合の良い耳ですこと…」







そう言うとは大きく息を吐いて、ためらいながらポッキーを口にくわえた。


ぎゅっと目を瞑って、咥えたポッキーを自分に突き出しているが何だか凄く不思議な感じがした。


そうしろって言ったのは俺自身なんだけど。







「早く!結構恥ずかしいんだから…!」





そう言われるとずっと見てたくなるんだけど。







「宗ちゃんってば!」


「あ、ごめん。見とれてた」


「……怒るよ?」


「あはは。ごめんってば」


「もう!」







焦らす様にゆっくり近づいて、ポッキーをくわえる寸前で


ふと昔聞いた事を思い出した。







「ねぇ、知ってた?ポッキーの長さで2人の距離がわかるんだって」







は驚いた様に、パッと目を開けたけど、慌ててスグに閉じた。


俺はそれが可笑しくて、声を押し殺して笑った。


の頬に当てた手からがかなり緊張しているのが伝わってくる。












ポキッ、とポッキーが折れる音がする度に


少しずつ2人の距離が縮まって行く。


あと4cm…3…2………


バキッ







「あーあ。折れちゃった」







から手を離すと、はふっと肩の力を抜いた。


その瞬間を俺は見逃さなかった。








「っ!宗ちゃん!?」


「これで距離はゼロだね」







口を両手で押さえてはその場に座りこんだ。


別に今のがファーストキスって言う訳じゃないんだけどな…。







「あー……もうっ!!!」







怒ったかな?


しゃがみ込んでの顔を除きこむと、照れてるだけっぽくて少し安心した。


下の階からおばさんの呼ぶ声が聞こえてきて、


時計を見ると時刻は夜の7時を回っていた。







、準備出来たって。行こう」


「うん…」


「顔真っ赤」


「誰の所為だよ」


「あ、言い忘れてたけど、ホントのプレゼントは母さん達と一緒に渡すから」


「…………え?」


「ごちそうさま」








END






真裕さんお誕生日おめでとうございます!!!
andキリ番3883番ゲットおめでとうございます!
お誕生日が11月11日と聞いてパッと浮かんだのがポッキーゲームでした。
神さん良いですよねvv私大好きなんですvv(聞いてないし)
ちなみにタイトルの”Mischievous mind”は「悪戯心」です。
英語が合っていれば。。。!
ありがちなネタかもしれませんが真裕さんに捧げます!!返品可です。笑。
それでは、ありがとうございました!



モドル