* * Life is not worth living without you. * -   * * - ndex
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誰が何と言おうと、私は可愛い物が好き。


フリフリのお洋服に、へットドレス。


お化粧も、巻き髪も全て私のポリシー






― ベィビィ ―






は見つけやすくて良いね」






こんなに沢山人が居ても、迷う事無くあたしを見つけて


笑いながら神君はあたしの所に来てくれた。


部活帰りで制服の神君とロリータなあたし。


このデコボコな組み合わせで周りの好奇の目を引いているケド、


神君は全く気にしてないみたい。






「ごめんね。遅刻しちゃった」


「別にいいよ。俺が早く来ただけだから」






手を繋いで、2人の距離がグッと縮まると神君と目が合った。






「気のせいだと思うけど、背伸びた?」


「……あ、違うの。今日、厚底なんだ」


「あ、ホントだ。そう言えばその服初めて見た気がする」


「気づいてくれた!?この間買ったばっかりなの!可愛いでしょー?」


「うん、似合ってる。この帽子は?」


「手作り!」


「手作り!?凄いな…」


「あたし、好きな物については妥協しないから」


「うん、知ってる」






神君はあたしのそういう所が好きだって言ってくれる。


今までそんな事言ってくれた人は居なかったから、純粋に凄く嬉しい。






「今日はどこに行く?」


「どこでも良いよ。お任せしちゃう」


「お任せか〜……」


「そんなに悩まなくても、適当でいいよ」


「じゃあ、ブラブラして目に付いた店を見るとかは?」


「うん、良いねソレ!」






本当に適当なコースだけど、偶にはそう言うのもアリだと思う。


だって緻密に計算されたデートコースよりも


何が起こるか解らないっていうスリルがあるでしょう?






何時もは絶対行かないような裏道に入って


今まで知らなかったお店を沢山見つけた。






その中でふらりと立ち寄った小洒落た店で


あたし達はイイモノを見つけた。






「指輪って、まだだよね」


「そういえば…」






小さな花の細工がしてある指輪を手に取って眺めていると


「それが良いの?」って少し困ったような声。






「これが良いって言ったらどうする?」


「……説得してみるかな。だってそれ、俺がつけたら気持ち悪いでしょ」


「うーん、意外性が可愛いかもしれないよ?」


「嘘だろ…」


「嘘だよ」






なんだよ、って言って呆れたように笑った神君。


あたしは笑いながら謝って、こっそり


「良いな」と思っていた指輪を手のひらに乗せて差し出した。






「これなんかどうですか?」


「うん、さっきのより全然良いよ。俺でもつけられそう」


「よし、じゃあこれ候補そのイチ!神君はどれが良い?」


「そうだなー…」






あたしが選んだ指輪も、神君が選んだ指輪も、


どっちも似たり寄ったりな感じで、一緒に頭を悩ませた。


最終的には合意の上でのジャンケン勝負。


結果は神君の選んだ指輪。







「ありがとうございます」






店を出て、近くの公園のベンチに座り再び頭を下げた。


コロンと転がるように神君の手のひらに出てきた


指輪を見て自然と笑みが零れた。






「別にいいって。申し訳ないくらい安物だし…」


「問題は値段じゃないでしょー?」


「まぁ……そうだけど」


「ね、神君。指輪つけてあげるよ」






大きい方の指輪を取って、にっこり微笑む。






「右手と左手、どっちが良い?」


「もちろん左かな。は?」


「あたしも左」






ヒンヤリした指輪の感覚と、手の暖かさ。


互いの指に光る物を確かめて、幸せを噛み締めた。






「次はどこに行こうか?」


「このまま真っ直ぐどこまでも」


「いいねそれ」


「でしょー?」






腕を絡め、手を繋いでゆっくり歩きだす。


こんな事、何時もなら恥ずかしくて出来ないけど、今なら平気。


ガラスに映ったあたし達の姿がまるで結婚式みたいだね、


って言って、そんな風に思う事自体が可笑しくて


照れくさくて、誤魔化す様に笑った。






こんな日々がずっと続けば良いと


左手に光る物を見てそう願った。








End







ロリータヒロイン。

別視点で違う話製作中。

この話、大分予定とは違ったのでリベンジです。。。笑





モドル