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Life is not worth living without you.
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I
ndex
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新年早々、私は筋金入りのバスケットマンを見つけた。
― お年玉 ―
バイトの帰り道、少し遠回りしてバスケットゴールがある公園の前を通った。
雪も降っていないし、よく晴れた日だったからもしかして、と思って。
案の定、ソコにはよく知った顔が合った。
「明けましておめでとう、藤真」
「おーミキ!あけおめ」
「何してるの?」
「見ての通り。お前もやる?」
「え、いいよ!」
「ホラ!」
「ぅわッ!!!」
反射的にギュッと目を瞑ってしまったけれど、
思ったよりもパスは優しくて、すんなりとボールは私の腕の中に収まった。
体育でしかバスケをした事がない私には
久しぶりに触れたボールはとても大きくて重たいものに感じた。
「どうした?」
「ん、ボールってこんな大きかったっけかなぁ~と思って」
右手で何度もボールを掴もうとするけど、
その度にボールは私の手から地面へと滑り落ちていく。
「おかしいなぁ…。中学の時はちゃんと掴めたハズなんだけど。寒いからかな?」
「っーかお前…」
「藤真は普通に掴めるんでしょ?」
「あぁ、まぁな」
右手で楽々とボールを掴んで、藤真はわざわざ
そのボールを見せる様に自分の顔の高さまで持ち上げた。
ちょっとムカつく。
「って言うか中学と高校ではボールの大きさが違うんだって」
「そうなの!?」
「そ。別にミキが小さくなった訳じゃないから」
「ふーん」
「あーさみっ!話してたら寒くなってきた」
そりゃあそんな薄着じゃ寒くない方が不思議だわ。
「俺もう少しここに居るけど?」
「見ててもいい?」
「いいよ」
バスケなんて全然解らないけど、踊ってるみたいにプレーしている姿を見ていたら
自然と拍手をしている自分に気がついた。
藤真は全然私の方を向いてはくれないけど、でもそれで良いんだ。
「もーボール見えねー」
「お疲れさま」
寒さで凍えている私とは対照的に、手の甲で汗を拭いながら彼は戻ってきた。
「なんか季節感のない男みたい」
「なんだって?」
「うー…!寒いッ!何か奢って」
って、何その顔。
そんな嫌そうな顔しなくたって良いじゃない。
「ごめん、冗談」
「あっ、そう?折角奢ってやろうと思ったのに」
「ほんと?!やっぱ奢って!」
「しょーがねーなー」
コンビニで私が真っ先に向かったのがレジの肉まんコーナー。
やっぱり寒い時はコレに限ると思う!
「一番高い奴が食べたいな~」
「お前人の金だと思って…」
「いいじゃん。お年玉なんでしょ」
ここに来る途中、急に奢ってくれるなんて
一体どういう心境の変化が起ったのか聞いてみたら
「本当に寒そうだったから、お年玉のつもりで」と言われた。
言い方は少し嫌味っぽかったけど、藤真のその優しさがかなり嬉しかった。
「一口食べる?」
「おう……ってコレ半分じゃん」
「エースが風邪引いたら大変ですから」
「…サンキュー」
半分になった肉まんを大事に食べながら二人仲良く帰路に着いた。
「じゃあ、ご馳走様でした。また学校で会おうね」
「おお」
俺明日もアソコに居るけど。
気のせいかもしれないけど、確かにそう聞こえた気がする。
不思議に思って振り返ると、自分の家に向かって歩いている
彼の後姿が少し離れた所に見えるだけだった。
明日もあの公園に行ってみよう。
そして、明日は私が藤真にお年玉をあげるんだ。
偶にはこういう正月も悪くない、かな?
End
スランプ中だけど、クリスマスに書けなかった分、頑張ってみた。
イマイチだ…。肉まん・あんまん等をまとめた呼び方って何だろう…。
モドル