* * I love you more than life itself.
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両手に花
今日は待ちに待ったイギリスとのデートだぞ!
うきうきしすぎて鏡の前で何回一人ファッションショーしたかわからないよ!
ヒーローらしく、紅い薔薇も買ってみたし最高じゃないか俺!
ちょっと花屋のお姉さんと話してたら予定より遅れたけど・・・
でも大丈夫!まだ30分しか遅れてないぞ!
「遅ぇ・・・」
公共交通機関に遅れが出ているのか?
まさか事故ったんじゃ・・・?
っーか約束事態忘れてんじゃねぇのかあの野郎!!
・・・なんて、悶々としすぎて1分毎に時計を見てしまう俺。
なんなんだチクショー
まぁ、確かに俺も柄にもなく浮かれてたさ!
何て言ったって男らしく決めようと思って30分前に来たんだからな!
相手があのアメリカだから、こうなるのは目に見えていたのに!
「なんか雲行きが怪しくなってきたぞ・・・」
イギリスとの待ち合わせ場所まであと少しという処で
バスの窓にポツポツと水滴がついてきた。
(イギリス、大丈夫かなぁ・・・)
多分あの人の事だから俺が来るまで待ち合わせ場所から離れないだろう。
傘、買っていこうかな。
「今日の天気は快晴。降水確率10%・・・って嘘ばっかりじゃねーか」
突然の雨でテラスをたたむカフェを見ながらずぶ濡れで佇む俺ってホント何。
雨宿りできそうな場所を探しても、そんな都合のいい場所なんてこんな街中にあるはずなどなく。
店の中に入ればいいけど、そんな事したらきっとアメリカが探すだろうし。
それに着いた時、ずぶ濡れの俺を見て自分の愚行を恥じればいい。
あいつが来たら最高の嫌味を言ってやる。
あぁなんてことだ。
あんまり当たって欲しくなかった俺の予想は見事に的中していた。
「君はバカかい?」
「うるせぇ」
「待った?」
「あぁ100年待った気分だ」
「ははは、じゃあそんなでもないね」
雨に濡れて、散々走った所為で少し不格好になってしまった薔薇の花だけど、
とっておきの嫌味ととっておきの笑顔で受け取ってくれた君が
意地らしくて可愛くて、思わず抱きしめた。
「ばっ・・・!やめろって!濡れるだろ!」
「だって!それは君、可愛すぎるよ!」
「いいから離れろ!風邪ひくぞ!」
こんなに濡れて冷たくなっても自分よりも俺の心配するなんて
やっぱり君は馬鹿だね。
「ねぇイギリス。君がそんなにびしょ濡れじゃ、どこの店にも行けないよ。
だから今日は君の家に入れてよ」
「・・・不本意だがそうするか」
アメリカの体が離れていく。
途端に体を包む冷気に反射的に体が震えた。
けれど、すぐに左手から温かさが伝わってくる。
右手に薔薇、左手にアメリカ
「・・・どうしたんだい?何か面白いものでも見つけた?」
「いんや!」
「えーなんだよ!君ひとりで楽しそうにして!ずるいぞ!」
「そんな顔しても絶対教えねぇからな」
というか、言えるはずない。
両手に花、だなんてそんな乙女チックな事を思ってしまったなんて。
ましてやそれが、かなり嬉しいだなんて。
「なぁアメリカ。今日の降水確率が10%だって知ってた?」
「10%だって?こんな土砂降りなのに?訴えてやりたいね!」
他愛のない話をして俺は来た道を辿る。
両手に大事な花を持って。
end
アルアサ萌!!自分で書いて自家発電(笑
次は西ロマが書きたい・・・!西ロマ、トーフェリとか白菊とか色々書きたい。
ローデリヒさんとかイツカ・・・難しいんだけどorz
モドル
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