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I’m gonna hold you ’til your hurt is gone.
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I
ndex
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出会いと別れの季節がやってきた。
真新しい制服に身を包み、桜咲く校門を通り抜けると
さぁ、そこは楽しい楽しい、おにゅう世界。
― おにゅう世界 ―
「正装なんて久しぶりでござるな、政宗殿」
「俺はまだ締めねぇぞ」
「元親の旦那、悪いんだけどココ結んでくれる?」
「おう」
体育館通路に面したバスケ部の部室を借り、応援団はソコに静かに待機していた。
団長、元親、副団長に佐助。
袴姿の2人を除き、その他団員は全員、学ランで正装をしている。
と、言っても政宗だけは時間ギリギリまでボタンを締める気はないらしいが。
一方、新入生がずらりと並ぶ体育館では生徒会長である毛利が生徒代表の挨拶をしている。
にも関わらず、新入生の一部が騒がしいのは彼の容姿の所為であると言えるだろう。
「っーかよぉ・・・この時期に袴は寒ィよな・・・」
「そう?」
「ンだよ。若いフリしてんじゃねーぞ」
「いやいや、俺様どーみても若いでしょ!旦那と違って」
「クソが・・・」
悪態を吐きつつ、ストーブの前から離れない元親を視界の端に捕らえて
佐助は持参した鏡でしきりに髪型チェックを始めた。
幸村は特にやることもないので、目を閉じて体育館の声に耳を傾けていた。
が、突然後輩から声をかけられ、ハッと顔を上げると後輩の顔を見つめた。
「どうした?」
「えーと、今日旗持ちの奴が休みで・・・」
「休み、か・・・。それなら俺がやるから心配しなくていい」
「あ、ありがとうございます!」
少し緊張気味の彼を和ませるように幸村が笑うと、後輩は
ホッとした様子で頭を下げ、自分のそばを離れていった。
つかの間の沈黙の後、幸村が小さなため息と共につぶやく。
「俺たちの出番はまだだろうか・・・」
†
「次、応援団による新入生歓迎のエール」
司会の声にあわせて鳴り響く太鼓の音。
校長の長話ですっかり疲れ果て、ダレ始めた心に心地よい緊張が走る。
しばらく規則的な太鼓の音を聞いていると、急に入り口の方がざわめき始めた。
時折黄色い声が混じる中、銀髪隻眼の団長を先頭に
悠々と所定の場所まで歩いていく応援団達。
その姿はパッと見(でもないが)は不良だが、容姿は確かなもので
ステージにずらりと並ぶ彼等の姿は圧巻だった。
「あー・・・新入生の皆さん、ご入学オメデトウゴザイマス」
まるでマイクテストでもしているかの様なぎこちない喋り方で元親が言うと、
新入生がクスクス笑い、佐助は横目でそんな元親を見て、
「やれやれ・・・」と心の中で呟いた。
応援団退場後、一気に気が抜けたらしい幸村が真っ先に両手を上に上げ、
小さく唸りながら身体を伸ばした。
「窮屈だったぜ・・・」
そう言ってすばやく学ランのボタンを外した政宗は珍しく疲れているように見えた。
首元がきつかったのか、片手で首を擦っている政宗にはお構いナシに
元親が何時もの調子で彼に絡んでいく。
「だーから、俺の貸してやるって言っただろぉが」
「テメェのはデカイんだよ」
「そうか?」
「Chicken Hertedのクセして図体だけデケェんだよな、お前は」
「おい、ソレどーゆー意味だ?」
「・・・You are stupid」
「おい、今のは俺でも馬鹿にされてるコトぐらい解かったぞ!?」
Ha、と笑い声を残して彼はさっさと待機室であるバスケ部の部室へ戻ろうと
歩き出すと、その後ろを元親がしつこく同じような質問を繰り返しながらついていく。
「佐助、寒くないのか?」
「まぁ、ちょっとね」
佐助の裸足の足を指差して幸村が愚問だと知りつつ問うと、
佐助は微妙に困った風に笑って答えた。
元親を馬鹿にした手前、寒いのを認めるのも癪だったが幸村に嘘を吐いても
仕方ないと思ったのは彼だけの秘密だったりする。
「さーて。可愛い子チェックに行くとしますか!」
待機室から顧問が出て行き、晴れて自由の身となると
見るからに軽そうな鞄を引っつかみ、屋上までの道を突っ走る4人組。
屋上に着くと、さっきまでの格好よさ何て吹き飛ばしてしまうような
どーしょうもない会話をしながら、
下校する生徒の群れを双眼鏡で追いかける。
「あの子、かーわいいなぁ・・・」
「あぁ?どれだよ。・・・・・・まぁ、中の上ってトコか」
「そうか?中々可愛いと思うケドなぁ」
肩に掛かる少し茶色掛かった、ストレート髪の女の子を追いかけながら
元親が同意を求めるように呟いた。
「幸村ァ、お前は何見てんだ?」
会話に入ってこようともせずに、じっと下を見つめていた幸村の視線を双眼鏡で追う。
内心、双眼鏡ナシであんな遠くの物が見える幸村に感心してしまう。
実は人間じゃないんじゃないか・・・?って・・・!?
「あ!もしかしてお前っ、俺と同じ・・・!?」
何故か慌てて言う元親に、幸村はこれ以上ない笑顔を向けて言う。
「元親殿には負ける気がしないな」
先手を打たれて言葉に詰まる元親。
しばし間をおいて彼も何事か言い返したが
ソレはすでに幸村には届いておらず、
麗らかな春風に乗って空へと消えていった。
さぁ、そこは楽しい楽しいおにゅう世界。
オワリ。
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さぁ!新学期ですね!新入生の皆さんおめでとうございます!
社会人の方も頑張ってください!いや寧ろ頑張りましょう!!
BSRキャラが応援団って激しく悶える設定だと思います。
こういう時は幸村は限りなく男前で居てほしいです。
空手部で主将とかしてて欲しいなあvv
考えただけで涎でます(笑
モドル