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Life is not worth living without you.
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I
ndex
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「な、教科書見せて」
「いいけど…」
授業開始まで、まだ後5分ほどあるにも関わらず
藤真くんは耳障りな音を立てて机をくっつけると
「借りるよ」と言って私の教科書を勝手に開いた。
― かけっこ ―
「藤真くんって何時も数学の教科書忘れるよね」
「忘れてるんじゃなくて、間違って捨てちゃったんだ」
「捨てた?!」
「そ。3年になる時、数学の教科書変わると思って間違って捨てた」
妙な含み笑いでそう言った藤真くんを私はポカンとして見てしまった。
そんな私を見ながら、今度は笑って藤真くんは楽しげに話を続ける。
「………藤真くんでもそんな事あるんだね」
「まぁね。王子サマも人間だから」
「ぷっ!」
「おいおい、ソコは笑う所じゃないだろ!」
藤真くんから目を逸らして思いっきり笑うと、軽く頭を叩かれた。
ホントは全然痛くなかったけど「痛い」って冗談で言ったら
「大丈夫かー」なんて言いながら軽く髪をグシャグシャにされた。
「あーあ。せっかくセットしてきたのに…」
笑いすぎて出てきた涙を指の先で拭っては深く息を吐いた。
「いいじゃん、乱れ髪」
「よくないよー!って言うかもうオヤジ臭いなぁ、藤真くん…。面白いから良いけどさ!」
「そりゃどーも」
ガラッ、と教室の扉が開いて、週番の号令の声が聞こえた。
「藤真くんってさ、あんまりバスケの話しないね」
数学の授業に飽きた私は、先生に見つからないように
そっと声を潜めて藤真くんに話しかけた。
「なんか意外だなー。もっとバスケの話沢山する人だと思ってた」
「そう?」
「うん。少なくても私の前ではしてないと思うよ?」
「あー…だってさ、解らない話されても面白くないだろ?」
なるほど。
思わず納得してしまった。
藤真くんはそんな事まで考えてくれてたんだね。
「優しいね、藤真くんは。女のコにもてるのも解る気がするな」
「誰にでも優しいわけじゃないんだけどね」
「……そうなの?」
「そうなの。俺にしてみればも意外だったけどな」
「どこが?」
「もっと大人しい子かと思ってた」
「それはどーゆー意味?」
「想像以上に話やすい人だったって事だ」
ホントは喜ぶべきなのかもしれないけど、なんか喜べないなァ…。
私、そんなに大人しそうに見えるのかな?
「ねぇ、藤…」
「ヤベ、俺達見られてるぞ」
「……ホントだ。先生めざといなァ」
パラッと藤真くんが教科書を捲った。
私はソレを見て再びノートの上を転がっていたシャープペンを握る。
喋りすぎたのか、黒板の文字はさっきまでの倍くらいの量になっていた。
先生の私達を見る目はまだ厳しい。
「ごめん、喋りすぎたみたい」
「全然構わないよ」
「そう?良かった…」
綺麗な笑顔にドキッとして慌てて目を逸らした。
ちょっと、惚れるかと思った…。
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モドル