*
*
I’m gonna hold you ’til your hurt is gone.
* - * * -
I
ndex
*
*
*・,,・*
*
*・,,・*
*
*・,,・*
*
*・,,・*
*
*・,,・*
*
*・,,・*
*
*・,,・*
*
*・,,・*
*
*
「政宗様、お仕事してください」
「Oh、ちょうど良い所に来たな。茶でも飲むか?」
「飲むか?って、私が入れるのでしょう?」
「解ってんじゃねぇか」
「これに目を通して頂けたらお茶でも何でも 作って差し上げますので、お仕事してください」
「Ha!お堅いねぇ。夜はあんなに可愛いのに」
「政宗様!怒りますよ!!」
政宗の独特の笑い声が清々しいまでに春の空に吸い込まれて行く。
書斎に背を向けて、縁側に座ってくつろいでいる姿は
まるで子供のように見えた。
― 純恋歌 ―
「私はここで見張っていますね」
「Ha!もっと俺様を信用しろって。逃げやしねぇよ」
「信用していますよ?」
「ホントかねぇ。っーかアンタも暇だな」
嫌味たらしく吐き出された言葉にはにっこり笑って答えた。
「今日はお暇を頂いておりますので」
筆に墨をつけていた動きを止め、 政宗は呆れ顔でを見る。
「休みだっーのに仕事とは、あんまり感心しねぇな」
「これは仕事ではございませんよ」
は少しはにかんだ様に笑うと、 政宗の顔が微妙に歪んだ。
「政宗様に逢瀬にくる口実でございます」
「……」
暫しの間、時が止ったかのように
2人は見つめ合ったまま動かなかったが、
らしくない程ゆったりした動きで政宗は再び筆に墨をつけ始めた。
その様子をは笑いを堪えながら優しく見守った。
「政宗様」
「あ?」
「その書類に見覚えはありませんか?」
「Ha?……っと、これは…!」
「はい!承認済みの物をお借りしてきちゃいました」
呆れとも驚きともつかぬ顔でを見て
政宗は堪えきれないといった感じで急に笑い出した。
「いいねぇ!最高にCoolだぜアンタ!」
「ふふ、ありがとうございます」
「今日はにしてやられたぜ」
「あら、らしくないお言葉ですこと」
「ふん、ソコまでして逢瀬に来たって事はその気なんだろ?」
の隣に膝を突き、その細い腰に腕を回し引き寄せる。
その手に己の手を重ね、はたおやかな仕草で言う。
「政宗様。その前に、お茶にしませんか?」
「Oh、そういえばこれに目を通したらって話もしたな」
「では、私が菓子と一緒に…」
「ンなもん他の奴に持ってこさせればいいだろ」
「しかし…」
「いいからここに居ろ」
そう言うと政宗は部屋の外に出て、
近くにいた侍女に何事か言いつけた。
そして侍女が去った後、手招きをしてを傍に呼ぶ。
「さっき俺が見てたもの、教えてやるよ」
す、と伸ばされた指先を辿ると、
桜の木の上に小さな鳥の巣があった。
「あれは何の巣なのですか?」
「うぐいす」
「わぁ、本当ですか!?今年はまだ見かけていなかったので、なんだか嬉しいです」
「戻ってくるまで待ってみるか?」
「よろしいのですか?」
「特別な」
「ありがとうございます」
寄り添うように二人並んで、桜の木を見上げた。
こんなずる賢い真似をしてまで逢いたかった相手が
すぐ隣に居る幸せを噛み締めて彼に軽く体を預けた。
「…お慕いしておりますわ、政宗様」
「そういうの、異国の言葉では何て言うか知ってるか?」
「いいえ、存じません」
「I love youって言うんだぜ。……いやI need youか?」
ふ、と楽しそうに笑った政宗をは首を傾げて見上げると、
彼はの額に優しく唇を落として何時もの笑みを浮かべた。
「愛してるぜ」
終。
--------------------------------
えと。リクエストは
政宗を言葉で負かすヒロインと言う事でしたがどうでしょう?
え?政宗英語あんまり使ってない?Oh my...ははっ、許せ!
と言う訳で、リクエストありがとうございましたー!
モドル