* * So take my hand,don’t say goodbye.
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ノブと仲良くなれたのは、お母さんのおかげ。
だけど、これはちょっと……屈辱かもしれない。
― 新年 ―
「昔はこ―――んなに小さかったのにねぇ」
「ちゃんの方がノブちゃんより随分大きかったのよー」
「でも今は横に大きくなるばかりでねぇ・・。ねぇ?」
「ははは…」
あぁダメだ。あたし今モロ不機嫌な顔しているに違いない。
ノブですらちょっと困ってるじゃないの。
「ちゃんノブちゃん!ちょっと並んで御覧」
そう言われて大人しくノブの横に立ったら、心にグサリと刺さる一言が返って来た。
どうして新年になると親ってものは子供の成長を比べたがるんだろう。
こっちにしてみれば良い迷惑なのに。
「お母さん、あたし上行くわ」
親達の不満そうな声を扉を閉める事でシャットアウトして階段を登った。
ちょっと感じ悪かったかなー、って思ったけど仕方ない。
あれはお母さん達が悪いんだから!
「あー待て待て待て待て」
「なに?」
「俺も行く」
軽やかに階段を登って、ノブは「お邪魔しまーす」と言って部屋の中に入ってきた。
「汚ねー部屋!これが女の部屋かァ?」
「煩いな。今大掃除中なの!」
「でも俺の部屋よりは綺麗かも……」
「ブタ小屋みたいだ、っておばさん言ってたよ」
「なに!?また余計な事を…」
迷う事無くベッドにダイブしてノブは盛大に息を吐いた。
って言うか、ソコに寝られるとあたしの居場所が無いんですけど。
「この部屋寒くねー?」
「今ストーブつけた」
「おぉご苦労ご苦労」
シッシッ、と手でノブを端の方に追いやって、ベッドに腰掛ける。
「映画でも見る?」
「何の?」
「ホラー」
「正月から見たくねーよ」
「・・・・・・もしかして恐がり?」
「そーゆーんじゃねーよ!!っーか何で元旦からホラー何だよ。運が逃げる!!」
「はいはい。じゃあ特別にやめてあげる」
「なんか俺が見たくねーって言ってるみたいな言い方だな。気に食わん…」
「じゃあ見たいの?見る?」
「見ねぇよ!」
なんだろうなー……ノブってからかうとスッゴイ面白いかもしれない。
反応がイチイチ大袈裟だったり、可愛いかったりするし。
「そう言えば今日泊まってくの?」
「いや、帰る」
「そーなんだ。暇なら泊まってけば良いのに」
「バカめ!俺は明日から部活なんだよ!だからオメーと違って暇じゃない」
「どーせあたしは暇ですよー。コレと言った予定もないし」
「ほほう。誰も遊んでくれねーのか!可哀想に!かっかっか!!!」
「ムカつく…」
近くにあった枕を投げつけると、普通にキャッチされて更に腹が立った。
「お菓子取ってくるね」
「餅もわすれんなよ!」
「はいはい」
下に降りていくと、タイミングが良いのか悪いのか
おばさん達が帰り支度を始めていた。
ノブを呼んでくるように頼まれて、何だか複雑な気分だ。
折角仲良くなったんだし、もう少し話してたいなぁ。なんて思う。
「ノブ、もう帰るから降りて来い、っておばさんが」
「はー?もう帰んの?早くねぇ?」
勝手に人のCDを漁っていたノブは、ジジ臭い言葉と共に少しメンド臭そうに立ちあがった。
「あ、コレ借りて良い?」
「何時返してくれんの?」
「その内」
「うっわ、アバウト…」
「そーだ!!!お前暇なんだし、返して欲しくなったらコッチ来いよ。近いし」
「何であたしが…」
「暇だからだろ!じゃ、そーゆー事で借りるから」
「うん……まぁ、別に良いけど…」
念の為に携帯の番号を交換して部屋を出た。
「ノブ、冬の大会冷やかしに行ってあげるよ」
「はっはっは!このスーパールーキーの活躍をとくと見るが良い!!そして驚け!」
「あっ、安心して。ノブを見るんじゃなくて、
ノブが尊敬してるって言う先輩を探しに行くだけだから」
あたしは相変わらず訳の解らない反論をしてくるノブに、爽やかに手を振った。
「バイバイ。またね」
END
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明けましておめでとうございます!!
ノブみたいな親戚が欲しいと思うお正月。きっと楽しいんだろうなあvv
ああでもホント・・・書き溜めしてて良かった・・・(ホッ)
モドル
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