* * I love you more than life itself. * -   * * - ndex
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ぱら、と乾いた音を立てて


本を捲る彼の側に座ってゆっくり目を閉じた。


右手には暖かな温もり。






― 温度 ―






ちゃんも好きだね」


「うん」





ソファに寝転がって本を読んでいるコムイの手を握って


は床の上に座って目を閉じている。


必要最低限の物しか置いていないこの部屋は本当に殺風景で


見ていて淋しくなるほどだった。


だから目を閉じる。


そうすると窓から入ってくる温かい風と


繋いだ手から伝わる温もりだけを感じる事が出来るから。





「あたし貴方の手、好きなの」





安心する。そう言ったの言葉を聞いてコムイが可笑しそうにクスクス笑い出した。





「手だけ?」


「ううん。全部好き」


「そっか。嬉しいなぁ」





より一層可笑しそうに笑い出したコムイを見上げると、彼は本に顔を埋める様にして


必死で笑いを堪えていた。





「何よ」





面白く無さそうな顔で言うの声には多少の棘がある。


それに彼は「ごめん」と言って、心を落ち着ける為に深く息を吐いた。





ちゃんって、こうしてる時だけは素直だよね」


「……そう?」


「そうだよ。気づいてなかったの?」





真っ直ぐに自分を見下ろしてくるコムイから目を逸らして、少しだけ首を傾げた。


「そんな事ないと思うけど」


「いや、絶対そうだよ。自覚してないだけでね。


まぁボクとしてはそっちの方が都合いいんだけど」


「…どういう意味?」


「そのまんまの意味」





そう言うとコムイは本に小さな紙を挟んで本を閉じた。


パタン、と音を立てたソレを床の上に置き、不思議そうな顔をしているに微笑みながら言う。





「後でにするよ」


「あ……集中できない?」





申し訳なさそうに言ったに彼は「違うよ」と言う。





「本を読むよりちゃんと話してた方が楽しいじゃない」


「……嬉しいこと言ってくれるじゃない」


「偶にはね」





一度手を解いて、ソファに座りなおしたコムイは無言でに隣を進めた。


ソレに従い、隣に腰を下ろす。再び手を繋いで。





「ねぇ、この部屋淋しくない?」


「そうだね。でも寝るだけだから気にしてないよ」


「ソレはソレで淋しいわね」





曖昧な笑みを見せた彼の手を少し強く握って、その肩に寄りかかる。





「どうしたの?」


「眠いなぁ、って思って」




純粋にね。そう付け加えた。




「寝ても良いよ」





呆れたように短く笑ってコムイが答える。





「えっ?座りながら寝るの?」





繋いだ手を引っ張ってはベッドに向かって歩き出す。





「手、繋いでてね」


「はいはい」





布団に入って暫くして、うとうとし始めた頃、ふとが言った。





「あのね、貴方と居ると安心しすぎて眠くなるんだよ」





それに答えようとして口を開くが、眠気が邪魔をして言葉が出てこなかった。


まぁいいか。


起きてから話をすればいい。


そう思って考えるのを止めると、吸込まれるように夢の中へと落ちて行った。







End






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1200Hit御礼です。匿名さん

てゆーか、コムイさんなんて初書きですよ!

いや、これに至るまで何度挫折したことか!

というか、ココらで挫折してしまいました。ごめんなさい!

リクエストは甘い夢との事でしたが…………甘くないですね!

す、すみません本当!

でも、頑張りましたので!はぃ…。それでは、1200Hit有難うございました!






モドル