* *  I love you more than life itself. * -   * * - ndex
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「ロシアさんの誕生日を祝いましょ!」





花のような笑顔を浮かべて彼女は手を叩く。




「ね。いいでしょ?リト、ラトビア!」




ロシアさんの名前を聞くだけでガタガタ震えるラトビア

俺はというと、彼女の笑顔の誘惑に負けてしまって気がつけば首を縦に振っていた。








「ねぇリト。どうすれば喜んでくれると思う?」

「うーん。ロシアさんが喜ぶ・・・か。あんまり想像出来ないなぁ」




三人で円卓を囲んでロシアさんの誕生日会議。

が日本から貰ったというお茶のおかげか、大分落ち着いてきたラトビア

っていうか、美味しいのはわかるけど、飲みすぎだよ?




の家でパーティを開いてあげたら喜ぶんじゃないかな?」

「私もそれ考えたんだけど、あのロシアさんがなんのメリットもないパーティに参加してくれると思う?」

「たぶん大丈夫だと思うよ?」

「かなぁ?でも普通に物を上げた方がいいかもしれないし。例えば・・・・・・えーとたとえば?」

「うーん・・・そうだな…」




花。

うーんなんか違う。ロシアさんの好きなもの?ウォッカ?

ロシアさんが欲しいもの・・・思いつかないな。

じゃあ、ロシアさんの好きなことは?

……ポーランドの、分割。




「ちょ、どうしたの!リト!」

「う、ううんなんでもない・・・」




まじありえんしー!!

なんてフェリクスの幻聴が聞こえるようで・・・・ああ具合悪くなってきた・・・かも。

しかもなんか扉の向こうから物凄い威圧感を感じるよ。

ああ、あの隙間を今すぐに何かで隠したい。むしろ誰か扉を閉めてくれ。

とにかく何か失言をする前に早く逃げて、ラトビア!





「やっぱり難しいねーロシアさんって。リトとラトビアでも解らないなんてよっぽどよ」

「うーん、でも、ロシアさんってポーランドを分割してる時とかすっごい笑顔だよね!唯一の趣味みたいだし!」

「ちょ、ラトビア・・・!」





なんで君はいつも空気を読めないんだ!!

もっと周りに気を配っ・・・あああああ





「あっ、あと〜誰かを侵略してる時とか?」

「え?何?誰の話かな?」





・・・貴方の話ですよ。

笑顔の陰にある重たい威圧感がなんとも言えない。

いや、ひとつだけ言える。

ラトビア、ご愁傷様。





「「ラトビアァァァァ!!」」










「なぁーんだ。僕の誕生日のことか」


ラトビアの亡骸の上に腰かけてロシアさんがにっこりと笑う。

怖い、怖すぎる。




「ロシアさんは何か欲しいものとか、ある?」




ロシアさんにもお茶を淹れながらが尋ねる。

この状況でも平静を装っていられるって本当に大物かもしれないよ





「僕、フィンランドが欲しいなあ」

「うんうんわかった。ウォッカね」

「僕、フィンランドが欲しいなあ」

「ははは・・・」

「フィンランドが欲しいなあ。ねぇ?リトアニア?」

「あはっ、あはははは・・・」

「はははははははははははははははは」


















数分後。

俺たちの目の前で本を読み始めたロシアさん。

俺たちはといえばその場から離れられずに、コソコソと顔を突き合わせて相談中だ。






「だ、だめだわ!!フィンランドなんてあげられない・・・!もうどうしたら・・・!!」





完全に頭を抱えてしまった

俺は胃薬を飲んで心を落ち着かせている真っ最中。

ラトビアはというと、なんかもうだめっぽい。



「あーもう普通にパーティ開こうかなあ?」

「うん…」

「・・・」

「・・・・・・」

「あのー」

「ぅん・・・」

「リト?リトアニアさん?トーリスさぁん?」

「えっ?あ、何?」




胃が痛くて聞いてませんでした、なんて言えるわけがない。

最近薬の効きが悪いんですよね・・・





「リトもラトビアもしっかり!ロシアさん別に怖くないから!」

「う、うん・・・」




君にはね、なんて思っても言えるわけがない。

だって近くにロシアさんがいるし。

ラトビアがダウンしてるのが不幸中の幸いというか。





「いっそのこと本人に聞くのが一番早いんじゃないかな?」
(考えるのもめんどくさくなってきたし)

「・・・だよね!なにもサプライズする必要ないもんね!」
(考えるのもめんどくさくなってきたし!)




がたん、と椅子を蹴り飛ばす勢いで立ち上がる

その音の大きさにロシアさんが顔をあげた。とても迷惑そうに。




「なんだい急に。あんまり煩いとえぐっちゃうよ」

「ねぇロシアさん」





レディらしからぬ大股早足ではロシアさんの前に立つ。





「率直に聞くけど、私たちがあげられる範囲内で誕生日に欲しいものって何かある?」

「フィ」

「それは無理」

「あははまだ何も言ってないよ」

「みなまで言わなくてもわかります」




あはは、とロシアさんが笑った。

俺とラトビアは少し離れた処から見つめあう二人を見守っている。

立っているを座ったまま見上げるロシアさん。

俺からはロシアさんがどんな顔をしているのかは解らない。

少しの間をとって、先に口を開いたのはロシアさんの方だった。




「なにもいらないよ」

「・・・・・・え?」




一拍置いてが聞き返す。




「僕はね、みんなが居てくれればそれでいいんだ」




今、なんて?

ロシアさんの言葉が信じられなくて顔を見合わせる俺とラトビア

ロシアさんの、極寒の地でずっと独りだった悲しい歴史が頭をよぎる。

なんだか胸に熱いものがこみ上げてーー・・・




「そしてね、みィんなロシア領にしてあげる。ロシア領ラトビア、いいよねぇ。最高だよ」




こみ上げて、こなかった。

かわりに見る見るうちにラトビアの顔が青くなっていく




「ら、ラトビア?」

「僕、だんだんロシアさんに侵食されていってるんだよね・・・じわじわ、じわじわ、って・・・。あは、あははぁ」

「ちょ、しっかり!?しっかりしてぇラトビアァァ!!」

「あははははははははおもしろいなあ、ラトビアは!ははははは」

「僕もうやばいですよ?文化崩壊の危機って感じ?あは、あはははは」

「しっかりしてぇ!ラトビアぁぁあ!!」

「はははははははははははははははははははは」





(結局、誕生日はどうするの?)

(普通にお祝いしよう、みんなでさ)

(そうだね、みんなで“普通に”お祝いしよっか)



End


ラトビアはロシア人に侵食されていっているらしいです。
ロシア人のせいで、ラトビア独自の文化の存続が危ぶまれているとか。
がんばれラトビア!
心行くまでギャグでごめん。もう続かなかった・・・

そして呼び方なんですが、名前の方は字(あざな。劉備玄徳の玄徳みたいな)
と同じで親しい人しか呼ばないとかそんなんだったら激萌なんだけどなあwって感じで。
だからリトはポーランドをフェリクスって呼ぶんです。もえるー

イヴァンさん誕生日おめでとん♪
モドル