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Life is not worth living without you.
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I
ndex
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「仙道くん、起きて……ねぇ、仙道くんってば」
そっと背中に触れて揺すると小さな呻き声が聞こえた。
きっとこの人も遅刻組なんだろうなぁ。
壁に掛かった時計を見ながらそう思った。
― 合縁奇縁 ―
窓際の一番後ろが仙道くんの席。
目立たない場所だから、教室に入った時は仙道くんに気がつかなかった。
移動教室なのになんで施錠してないんだろう?
そんな程度の疑問しか持ってなかったから、本当にびっくりした。
仙道くんとは殆ど喋った事も無いから、
起こすか起こさないか少し迷ったけど結局起こす事にした。
「ねぇ仙道くん。3時間目始まってるよ?」
机の横にしゃがみ込んで仙道くんの綺麗な顔をジーッと見ていたら
一瞬微かに表情が変わった。
「あ、起きた?」
「…うん」
「おそよう」
「…おそよう?なにソレ?」
「遅くまで寝てたね、っていうのと、おはようが混ざった言葉」
「ふーん」
のっそり身体を起こして仙道くんは欠伸と一緒に大きく伸びをする。
私も机に手をついて、のっそり立ち上がった。
「あ、立ちくらみ…」
「大丈夫?」
「うん。ただの運動不足」
ぎゅっと目を閉じて、開けると仙道くんが私を見ていた。
「さん、3時間目出るの?」
「うん。そのつもりだよ。まだ始まったばっかりだし」
「へぇ」
「仙道くんは出ないの?体育なのに」
「着替えるのメンドクサイじゃん」
「それは私もメンドクサイよ」
「じゃあサボろう」
「でも…」
「静かにしてれば見つからないからさ」
ああ本当、その笑顔は反則だと思う。
前の席の椅子を引き出して、
私に座れと促すその行為すらも反則だと思う。
そんな事をされたらもう座るしかないでしょ。
「さん今日遅刻したんだねー。俺もだけど」
「寝坊?」
「うん。さんは?」
「私も寝坊。なァんか電車乗り過ごしちゃったらどうでもよくなっちゃって」
「あ、解るなぁソレ」
「ホント?でも、何か学校休めないんだよね」
「わかるわかる。休むと越野が煩いから」
「あはは!でも越野くんってイイ人だよね」
「うん。イイ奴だよ」
私が越野くんについて聞くと、仙道くんは頬杖をつきながら、
少しネムそうに越野くんの話しをしてくれた。
心なしか、何時もより楽しそうな顔をしているような気がする。
「んー・・・話聞いてたら部活も良い物なのかと思ってきちゃったなぁ。
今までメンドクサイって思って何もしてなかったからさ、私」
「うん、確かにメンドクサイ!・・・あ、そう言えばさんとまともに話したの初めてだ」
「そう言えばそうだね」
「全然そんな気がしないなぁ」
「私もそう思った!」
「な、これからって呼んでイイ?って言うか呼ぶね」
「別にイチイチ聞かなくてもいいのに・・・」
「だって今まで苗字だったのに、急に名前で呼ばれたら引かない?」
「あー、うん。確かに引くかも」
私が頷くと、「聞いてよかった」って言って仙道くんがへらっと笑った。
そして仙道くんは急に立ちあがると私の手を掴んだ。
「さ、いこーか」
「ど、どこに?」
「上」
「屋上?」
「そう。どうせ遅刻したんだ、午後から授業に出たって変わらないだろ」
あぁやっぱり反則だよ。
こんな温かくて大きい手を私が振り解けるわけ無い。
「仙道くんってズルイね」
「え?何が?」
「なんでもないよ」
End
今日は金曜日。月曜日にはテスト最大のヤマが残ってるのに何してるんだか…。
モドル