* * Life is not worth living without you. * -   * * - ndex
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白い息を吐きながら慌しく走る少女が1人。


まだ恋心なんて解らないこの幼い少女も


バレンタインという特別な日に心躍らせていた。





― Sweetness ―





「おかあさん!チョコかってきたよ!」





キッチンで心配そうに娘の帰りを待っていた母に笑顔が浮かぶ。


「おかえりなさい」と言って娘のコートを受け取ると


張りきった様子でチョコレートの包み紙を破いていく娘に問い掛けた。







は誰にプレゼントあげるの?」


「宗ちゃんとノブ!…と、おとうさんとおかあさん!」







取って付けたような「おとうさんとおかあさん」に苦笑しながら


母は手でチョコレートを砕いていく我が子を見守った。
















「バレンタインって女がすきな男にチョコおくる日なんだって!!」







何処から仕入れたのか偉そうに信長が言った。


それに「うん、知ってるよ」と少し冷たい反応を返す大人しそうな少年。


彼は慣れた手つきでゲーム機からソフトを取り出しながら


独り言のように言った。







、おれたちにくれるかなぁ」


「おれクッキーがいい!!あ、でもケーキもくいてぇなー!!」


「おれ、チョコがいい!」







2人であれもこれも、と言って盛り上がっていると突然呼び鈴が鳴った。


「はーい」と言ってのん気に歩いている母を追い越して、


まるでかけっこの様に競いながら一目散に玄関に駆けて行く2人。


扉を開けると、そこには彼等が思った通りが居た。


しかもピンクのギンガムチェックの袋を大事そうに抱えて。






「…宗ちゃんもノブも、どうしたの?」


「まーいいからあがれって!」


「って、ここ信長のいえじゃないでしょ」


「いいじゃんいいじゃん」


「おじゃましまーす!」







子供達の笑い声が奥の部屋に消えると、今度は母達の笑い声が玄関に響いた。









「あのね〜、宗ちゃんたちにおかし作ってきたの」







1人で作ったんだよ、と得意気に話すの目の前で


少年たちは嬉しそうに顔を見合わせた。


それはただチョコレートを溶かしてカラフルなおかずカップに流し込んだだけの


簡単な物だったが、押し潰されて不自然に曲がったその形すら


彼等には嬉しかった。







「おお〜!!うまそー!いっただきまーす!!」


「ありがと!!いただきます!」


「へへ…よろこんでくれてよかったぁ」


がくれたんだもん。うれしくないはずないじゃん」


「そうそう!あーうめぇー!」


「じゃあ、らいねんももイッかい作るね!!」


「おお!ちょーたのしみにしてるからな!」


「おれも!」







花のような笑顔を称えて3人で笑い合う。


恋心に近い様で遠い愛しさを胸に抱きながら。







ね、宗ちゃんもノブもダイスキだよ」


「おれものことすきだよ」


「おれもおれも!!おれものことすきだからなッ」


「らいねんもちょうだいね」


「うん!」







END





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清田と神さんは幼い時仲良しだった設定が大好きなんですv(萌)

意味わかんねー、な方ごめんなさい。

そして平仮名多くて読み難くてごめんなさい。

幼き頃の2人は絶対可愛いと勝手に想像している愛怜でした(*´∀`*)


モドル