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I’m gonna hold you ’til your hurt is gone.
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I
ndex
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枯れた花に思いを馳せて、貴方の帰りを待っています。
― 優しいウソ ―
ひらり ひらり
地に向かって頭を垂れた花から、また1枚花弁が舞い落ちた。
貴方がココを出てどれだけの時間が経ったのだろう。
貴方がくれたこの花も、もう少しで完全に枯れてしまう。
「なーに。すぐに帰って来るさ」
貴方は寂しそうな顔をした私に優しい嘘をついた。
私はそれが貴方の優しさだと知っていながら、その嘘を信じた。
戦う力を持たない私には応援する事しか出来ないから、
せめて精一杯の笑顔で送り出そうって決めた。
あれから1ヶ月が経とうとしている。
耳に入った情報では、戦況はこちらに有利らしいが
人の安否は定かではなく、不安と希望を置き去りに
ただ時間だけが過ぎて行った。
私は戦に赴くあの人を見送る事も、待つ事も、
何度経験しても慣れる事が出来ないでいる。
それはきっとこの先もずっと変わらない。
生在る限りずっと、この表し様がない気持ちと
付き合って行かなければならないのだ。
「わぁ、美しい花ですね」
「アンタにやるよ」
「私にですか…?ふふ、佐助様がお花をくださるなんて意外でした」
「あ―……旦那がさ、花が良いんじゃないかって教えてくれてね」
「でも、佐助様が選んでくださったのでしょう?」
「…まぁね」
「私はそれが嬉しいのです。ありがとうございます、佐助様。大切にしますね!」
「喜んで貰えて何よりだ」
花、ってタイプじゃないと思ってたから
花の甘い香が鼻をくすぐるまで信じられなかった。
こんな事を言ったら、貴方は怒るかな?
それとも、呆れた顔で笑ってくれる?
「ん……」
部屋の外から幸村様の声が聞こえて目が覚めた。
何時の間にか眠っていたみたい。
なんだか、凄く優しい夢を見た気がする。
「ゆき、むら……さま…?えっ、幸村様!!?」
もしかしたら、と慌てて顔をあげた。
「…ヒドイねぇ」
「さ、佐助様!?どうしてココに…ではなくて!えぇと…」
「あ、俺は今帰って来たばっかり。どう、元気だった?」
「え、えぇ」
「そ。ならいいんだ。あーあ!それにしても折角急いで来たって言うのに
が真田の旦那の夢を見てるなんて、俺もつくづく報われないねぇ」
「あっ、それはありません!!ちょうど今外から幸村様の声が聞こえたもので……」
「そこまで断言されると、ちょっと旦那が可哀想に思えちゃうな〜」
「えっ、あのそう言うつもりでは・・・」
「…ま、いいか。それよりこれ、まだ持ってるんだ?」
窓際の、あの枯れかけている花を手にとって小さく笑った。
木漏れ日と影が造る絶妙なコントラストに見惚れ、目を細める。
「もう枯れてるけど、なんで捨てなかったんだ?」
「大切にすると言いましたでしょう?」
「って、大切にし過ぎだろコレ」
「佐助様が戦からお帰りになられるまではここに置いておくことを決めていたのです」
「もし帰らなかったら?」
「一生ここに置いたままです」
「……一途だね」
「ご迷惑ですか…?」
「いーや。惚れた女に思われて迷惑がる男は居ないだろ」
サッとの頬に朱が差した。
佐助から目を逸らし、その視線は床の上をさ迷う。
それからしばらくして顔をあげると
言葉にはしていないものの、呼ばれているような気がして、 立ちあがり彼の傍に寄った。
しっかりした腰に手を回し寄り添うと
微かに武人の香がした。
「…佐助様。私、まだ言っておりませんでしたね」
「ん?」
「お帰りなさいませ」
終。
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琥珀さんにプレゼンツでござるぅぅ!!
佐助にお花というミスマッチ☆許してくだされお館様ァ!(幸村)
BASARA初夢ですのでいまいちキャラが掴めていません。
実はこれ元はDグレの某キャラのネタでした。
途中放棄していた物を採用!た、多分まだ使ってない…。
イチイチ確認するのも面倒なのでもし使っていたら
それとは別verと言う事にしておいてください(コラ)
では、琥珀さんリクエストありがとうございました!
モドル