* *  Over the sidewalks Running away from the streets we knew . * -   * * - Index
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ああいうのを薔薇という





「アレルヤ」

「ロックオン、早かったね」

「なんだか待ちきれなくてなー」

「そんなにお腹空いてるの?」





アレルヤはくすくす、と困った様に笑う。

そういう意味ではないのだが、その顔を見ただけで満足してしまう単純な俺。

今日はアレルヤと同じ顔のアイツは居ないらしい。

なんというチャンス!!!

もうこの瞬間ばかりは居ないはずの神様にだって感謝してしまった。





「まだ夕飯には早いから、あがってく?」

「おお、悪いな」

「散らかっててごめんね。ハレルヤが洋服脱ぎ散らかして行ったから片付け切れなくて」

「いやいやこれくらい可愛いさ。うちの部屋なんか…」





自分達の部屋なんて……いや、思い出したくない。

それにしてもだ。

アレルヤに片付けさせるなんて、なんて羨まし…!

いやいや、全くなんて奴なんだハレルヤめ!





「君の部屋は色々と大変そうだね」

「まぁ、な」

「刹那から色々聞いてるよ」

「何?刹那から?」

「うん」

「そういえばアレルヤ、どうして刹那と仲良いんだ?」

「んー……ハレルヤもかかわるから話すと長くなるよ」

「じゃあ今度聞くわ。悪いな、聞いておいて」






こんな良い時間を刹那はともかく、ハレルヤの話で消費してたまるか。

BGM代わりにテレビをつけて、前にアレルヤから借りた本の話やクラス、部活での話をした。

次々と話題は移るが途絶える事はない、心地よく成り立つ会話のキャッチボール。

どちらかと言えば口数が少ないアレルヤがここまで喋る事が出来るのは、

ロックオンの巧みな話術のおかげとも言えるのだが、

それだけではない何かがあるのも確かだ。







「…そろそろ行かないと、座れないかも」

「そうだな。行くか」





名残惜しくなりながら部屋を後にした。

鍵を閉めて、食堂に向かって歩き出す。






「ちょっと話しすぎたかな?」

「いや、まだまだ話し足りないくらいだ」

「うん…そうかも」






きゅん。






そんなはにかんだ笑顔とか、遠慮がちな言い回しとか、卑怯だ!!!

いま俺は確実に何かに心を狙い撃たれた、ぜ






「可愛いやつめ!!!」

「え?うわ、何?!」

「今なら絶対キュン死できるぜ!キュン死!」







アレルヤの肩に腕を回して引き寄せて、サッカー選手がゴールを決めた時みたいな

そんなテンションで思わずアレルヤの頭を撫で回してしまう。

抵抗されればされるだけ、燃えてしまう。

そんな二人の横を刹那とティエリアが通り過ぎる。






「刹那、ああいうのが薔薇というんだ。もしくはガチ」

「俺をそっちに染めようとするな」

「そう悪い世界じゃない。色々読んでみるか?」

「お願いだからもう勘弁してください」






薔薇……。

通り過ぎ際のティエリアの言葉に凍りついた。

薔薇だのガチだのというのは否定はしないが……なんだろう、このやるせない気持ち。

しかも何も知らないアレルヤが不思議そうに俺を見てくるし。






「ねぇロックオン。薔薇ってなに?」

「え?あー……なんのことだろうなあ?あいつの造語じゃないか?」

「へぇー、ティエリアって面白いよね」

「そうだな…」

「僕達も早くご飯食べようか。お腹空いちゃったよ」

「ん、ああ」






俺は今日、知らないうちに日頃から随分とティエリアに鍛えられていた事を実感してしまった。

そして、出来るだけアレルヤをティエリアから遠ざけようと心に決めた。





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