* * What would you say if I asked you to marry me? * -   * * - ndex
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「佐助ぇー!佐助はおるかぁぁー!!!」







騒々しい足音と共に城に響く幸村の大声。


ここ、武田ではこんな光景は日常茶飯事ではあるが、


今日のソレはどこか様子が違う。


幸村の叫び声が何処か悲痛な響きを持っているのだ。







― June Bride ―







「さーすーけぇぇー!!!!!出て来ないと減給…」


「あーハイハイ!!俺はココですよ旦那!!減給ってちょっと酷いんじゃないの!?」


「お前がそれを言うかッ…くっ…」


「え、ちょ…旦那!?どーしたの!?」







急に泣き崩れた幸村を前に困り果てる佐助。


間違いなく100人いたら100が振り替えるこの光景。


しかし誰も気に留めないのが武田。


二人の横を談笑しながらお館様と勘助が通り過ぎる。


……そう、幸村の言葉を耳にするまでは。







「たった今ッ…佐助の所為でに見限られた!」








しーん







一瞬時間が止まった後、







「なんとぉ!」


「そ、それは誠か幸村殿ォ!」






叫びながら二人が戻ってきた。






「お似合いだったのにのう…まぁ、何事も経験じゃ幸村ァ!!」


「そうですぞ!!元気を出してくだされ幸村殿ォ!」


「ぇ、ちょっと待って。俺関係なくない…?」


「何を言うか佐助ぇ!!!!!」


「ぐはぁ!」






ばきっ、と痛々しい音が聞こえ佐助がうずくまる。


どうやら幸村の拳が鳩尾に入った模様。






「な、何すんの!?」


「くぅー…ッ」


「ちょっと旦那、泣きたいのはこっちなんだけどね…?」


「話してみよ、幸村」


「お館様ァ〜」


「(あーもーほんと転職しょうかなぁ…)」














今から遡る事数時間。






どのぉー開けて下され〜」






何時ものように両手に団子を持ち、


上機嫌で襖越しに話しかける幸村。


しかし、襖の向こうからは中々返事が返って来ない。


人の気配はするのに何故?






「開けても良…」


「なりませぬ!!」


「は…何故でござるか?」


「…」







再び沈黙が流れる。


幾らか時が過ぎた頃、中からか細い声が聞こえてきて耳を澄ました。






「さ……」


「さ?」


「さ、さすけが…」


「佐助がどうかしたのか?」


「あのっ……へんな、事を…」


「なに!?何かされたというのか!?破廉恥な!」


「違いますけど…」


「許せん!!」


「いやだから違いますって……」






小気味良い音を立てて幸村が持っていた皿が割れる。


そこから襖越しに佐助の汚名返上に数分。


団子を落とした事に気付き、ショックを受けるのに数十秒。


そして、本題に戻るのに数秒を要した。






「では、一体佐助がどうしたというのだ!?」


「それは、その…」


「もう開けるぞ!」


「なりませぬ!!開けたら嫌いになります!!」


「な、なんとッ…!」






パッ、と襖にかけた手を離すが時既に遅し。


目の前にはほんの数センチほどの細い細い隙間。






「お、お館様ぁぁぁァ――――!!!!」


















モドル