* * I’m gonna hold you ’til your hurt is gone. * -   * * - ndex
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「おはようございまー・・・・・うきゃあ!!」





人の呻き声と共に、大きな音を立てて入り口横に重ねてあった


去年の文化祭の装飾品が倒れてきて、慌てて後ろに飛んだ。




― 会長 ―




「何!!?」



普段の倍は早く動いている心臓に手を当てて叫ぶと


ガラクタの向こうにいる生徒会長が目に飛びこんできて


何が起こったのか何となく予想がついた。


だって会長の手には采幣。




「無事か?我が駒よ」


「私は大丈夫ですけど、あの人ヤバくないですか?」


「構わぬ。使えぬ駒など捨て置けばよい」


「そ、そうですか…」





うわーあの人ちょっと焦げてるよ…。


会長の逆鱗に触れるなんてあの人もまだまだだね。




「会長、どうしてあの人の事燃やしたんですか?」


「使えぬからだが、そのような事を聞いてどうする」


「いえ別に。また前みたいな面白い理由なのかなーって思ったもので」





笑いを堪えた声でそう言うと、会長の端正な顔が微妙に歪んだ。


その面白いエピソードって言うのは


会長がある人を購買にパシリ行かせた時の話で、


その人は会長が頼んだメロンパンが売りきれだったからと言って


イチゴメロンパンを買って帰ってきたら


「使えぬ!!」


の一言で瞬時に燃やされたって話。


で、これの何が面白いって、


そんなにメロンパンが食べたかった会長もそうだけど、


ちゃっかりソレを食べて


「イチゴなのかメロンなのかハッキリせぬか!」


とキレた事でしょ!


その後、政宗先輩と散々ネタにしたんだけど、


あの時の会長はホンット面白かったわー。





「何をニヤけている」


「思い出し笑いですよォ。メロンパン事件の時の事!」


「ほぅ、まだ引っ張るか…」





バサッと会長の采幣が音を立てるけど


私は思いだし笑いが止らない。





「あ。政宗先輩、今日来ないと思いますよ」


「何?相変わらず使えぬ…」


「さっき可愛い女の子のお尻追いかけてましたから」




会長の采幣が2回ほど音を立てた。


うはは!怒ってる!





「此度は奴にも仕事があったのだがな…」




女ごときに…、と会長が呟くと


何ともまぁタイミング良く扉が開き


さっきまで女の尻を追いかけていた伊達男が顔を出した。





「あれ?先輩、さっきの子は?」


「ああいう奴はな、初めはメアドだけ聞いとくモンなんだよ」


「ふぅん。そういうモンなんですか」


「Yes!覚えておくと良いぜ、cherry boy」





あ、いま会長ちょっと怒った?


って事は何?ホントにチェリーボーイなの!?


まっさかぁ…。





「Hey!Cherry boy!その物騒なモン仕舞え」


「うほッ!会長の采幣、火花出してる!」





佐助のような声で笑って


はさり気無く2人から離れる。





「消えるがいい!!!」


「おー恐い」


「やだ!!こっち来ないで!!燃えるッ!!」


「What?こっち来んなだと?初めてそんな事いわれたぜ…」





軽くBreak heartな雰囲気の政宗先輩から逃げて


安全と思われる会長の後ろに逃げた。


結局、これで政宗先輩が燃やされる事は無かったけれど、


代わりに数名の役員が負傷した…。






 



イチゴメロンパンみたいな中途半端な物は
オクラはきっと好まないだろうと言う妄想から。
今度はメロンパン事件を書きます。


モドル