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I’m gonna hold you ’til your hurt is gone.
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I
ndex
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とある日の夏休み。
時計の針が12時に近づいてくるにつれて何やら
チカ先輩と政宗先輩の間に緊張感みたいなモノが漂ってきた。
どちらからともなく拳を振り上げて……本日のパシリ決めじゃんけんを始めた。
そういえばコレ、ここんトコ毎日見てる。
でも、何時も政宗先輩が勝つまでやるから意味ないんだよね。
会長によると、3年前からずっと続いているらしい。
って事はチカ先輩ってずっと政宗先輩のパシリだったんだ…。
― Go Go メロンパン! ―
「だ――クソッ!!」
「アンタが弱ぇのが罪なんだぜ?」
どこかで聞いたような台詞を吐いてチカ先輩に昼ご飯のオーダーをしている政宗先輩から
ふと会長に視線を移すと 彼もまた自分の駒(役員)をパシリに走らせる所だった。
しかもこっちは制限時間付き。
今日は機嫌が悪いのか、中々苛酷な制限時間だこと…。
「チカ先輩、私も一緒に行って良いですか?」
「おおよ!!大歓迎だぜ」
「やった!じゃ、お昼買いに行って来まーす!」
チラ、とこっちを見てすぐに顔を下げた会長とは対照的に
政宗先輩は爽やかに送り出してくれた。
「チカ先輩、アイス食べましょうよ」
会計を済まし、店を出ようとした時ふと
「あぁ、外に出たら暑いんだよな」と思ったら足が止った。
その足が向かう先はアイス売り場。
冷たい冷凍庫に手を突っ込んで涼んでいるとチカ先輩に呆れられた。
「子供かオメーは」
「だって暑いじゃないですか」
「どれ食うんだ?」
「コレかなー?あ、チカ先輩のオススメとかあります?」
「あんまり食わねぇからなぁ…」
「えー!夏場はアイスがないと生きていけませんよ!」
「そりゃだけだ!」
そう言ってチカ先輩は気持ち良いくらいの大声で笑った。
……う。周りの好奇の目が痛い。
チカ先輩は黙ってても目立つのに、この声のデカさが更に存在を目立たせる。
私は別にソレを嫌だとは思わないけどね。チカ先輩面白いし。
それに、これに政宗先輩とか会長が加わると更に目立つから
注目を集めるのにももう慣れッ子だし。
「ソレ食うのか?」
「はい!」
「ちょっと貸せ」
「?…あ、あぁ良いですよ!!自分で払いますから!」
「いいから待ってろって」
「…ありがとうございます」
冷たい冷凍庫に手をついて寄り掛かりチカ先輩の帰りを待つ。
BGMにもかき消されずに、煩わしい程鳴く蝉の声を聞いていると
程なくしてチカ先輩が戻ってきた。
「ガッコに着く前に食わねぇと色々メンドクセェ事になりそうだな」
「そうですね…燃やされそう。今日の会長、機嫌悪いみたいだし…」
ゆっくり亀の歩みみたいに歩きながらカップアイスを頬張る。
食べながらも喋る事は止めない。
時間が経つに連れて、お互いろれつが回らなくなってきた。
イチイチ聞き返しながら話しをしていると、何時の間にか学校がすぐ近くになっていた。
「先輩の一口下さいよ」
「あぁ?今更か?」
「ちょっと飽きちゃって。交換しましょう」
「しゃーねぇな」
立ち止まって、お互いの手の中から木のスプーンで一掬い
アイスを掬い上げて口に運ぶ。
冷えて味覚が曖昧になっていても、口の中で溶けて行くコレが
さっきとは全く違う甘味なのはハッキリと解った。
甘味の中にほんの少し存在する苦味に一瞬眉根を寄せた。
「何味ですか?」
「コーヒー」
「あぁ、どうりで苦い訳だ」
「苦いか?お前のは甘すぎだ」
「だってチョコですもん」
もう一口分だけ交換して再び歩き出す。
学校が見えてきて、急ピッチでアイスを口に運ぶと軽く頭痛がした。
昇降口のゴミ箱にゴミを捨て、生徒会室に続く階段を上る。
「アイスごちそうさまでした!」
「アイツ等にはぜってぇ言うなよ?」
「はいッ」
「…何笑ってんだよ。気持ち悪ィな」
「ふふ、ごちそうさまでした」
「あ、あぁ…?」
チカ先輩が顔を顰めるとほぼ同時、どこかから爆発音が聞こえてきた。
いや、何処かって言っても場所は決まってるけどね。
階段を駆け上がって、壁に捕まり勢いに任せて廊下の角を曲がった。
「あちゃ――…・・・」
目の前に広がるは会長の采幣が唸った跡だった。
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メロンパン事件前半。チカ夢ですねコレ。
間接キス〜♪……してぇ(真剣)
モドル