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I’m gonna hold you ’til your hurt is gone.
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I
ndex
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私の斜め前が佐助の席。
いっつも空いているそこから
ボーッと空を眺めるのが好きだったんだけど
最近はソコの主が毎日学校に来るから
空を見る変わりに佐助を観察する事にした。
― 観察記 ―
アイツってば本当に不真面目。
版書はするけど、先生が説明してる間は
ずーっと空見て何か考えてるし。
前は、頬杖突いたまま目を閉じて寝てた。
それはもう隠す気もなく堂々と。
でも、先生が近づいてくると起きるんだよ?
なんだかまるで動物みたい。
「19番!どこだ、19番!」
「ハイハーイ。先生、俺19」
「あぁ佐助か。で、答えは?」
寝てるのかと思ってたら
バッチリ答えて見せたりして、ほんと何物?って感じ。
学校には来ないし、態度も悪いけど
当てたらちゃんと答えてくれるから先生も何も言えないみたい。
授業を妨害するわけでもないし。
なんだか佐助ってお得なキャラだよね。
授業も終盤に差し掛かった頃、
また佐助の方を見ると、筆箱の中に小さな鏡を入れて
頭のヘアピンをつけなおしていた。
鏡の角度が悪いらしく、佐助が鏡を立てなおした瞬間、
鏡の中の佐助と目が合った。
鏡の中で佐助が笑うから余計に気まずくて急いで目を逸らした。
チャイムが鳴って休み時間が来て
幸村と3人揃ってずっと一緒にいたけど
あの時の事は一言も言ってこなかった。
それはそれで嬉しいんだけど、
更に気まずい気もする。
そういう時は自分から切り出さないと駄目なんだよね…。
「佐助、さっきはごめんね」
「別にいーよ。で、どうだった?」
「…なにが?」
「さっきずっと俺の事見てたでしょ?その感想とか聞きたいんだけど」
「き、気付いてたの!?」
「まーね。でも鏡が決定打かな」
やっぱり、佐助って何かの動物みたい。
人の雰囲気とかに敏感で勘が鋭いって言うの?
絶対、女の勘とかいう奴の100倍は優れてると思う。
「不真面目!至極不真面目だと思います!」
「えーなにそれ」
「学校に来たら勉強しなさいッ」
とは言っても、急に真面目に勉強されても
かえって恐いんだけどね。
やっぱり佐助は今のままが一番良いや。
観察結果。
佐助は動物的感覚に優れている。
補足。ヘアピン直してる姿が可愛かった。
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モドル