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I’m gonna hold you ’til your hurt is gone.
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I
ndex
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「会長ってさぁ、ツンデレですよね」
「は?」
「ここで働けるんじゃないですか?」
例のページを開いて会長に手渡す。
その見出しにはツンデレ喫茶の文字。
元から細い目を更に細めながら記事を読んでいる会長を
ミキがにこにこしながら見ている。
と、突然会長が雑誌を床に叩きつけた。
「焼け焦げよ!」
「あぁっ!!!チカ先輩のなのにっ!!」
「滅せよ!」
「あぁっ!!踏みつけないであげてっ」
グリグリと利き足で雑誌をメタメタに踏みつけて
会長はご乱心のままそこから去っていった。
― 鈴 ―
「…って言うことがあってさぁ」
身体を半分に折り曲げて死にそうなくらい笑う佐助。
その隣で笑っちゃいけないと思いつつ
笑いをこらえきれない幸村が微妙な笑い方をしていた。
「幸村、笑っていいんだよ?」
「いや、しかし…!」
「なんか旦那不気味だよ?」
「む…、わかった」
次からは気をつけよう、なんて
幸村らしい生真面目な言葉を吐いて
ふぅ、と息をつく。
「で、その雑誌どうしたの?」
「それがね~……弁償したいんだけど、ちょっと買いにくい内容でさぁ」
「買いにくい??」
「うん、ちょっと破廉恥なんだよね」
「そ、それは…!!!」
「あっでも最後のほうにちょっと乗ってるだけで……ね?」
ミキは、破廉恥!と言った直後から一歩後退気味の幸村に
言い聞かせるように言った。
「なんなら俺が買ってきてやるけど?」
「ほんと!?」
「ただし、なんか見返りもらうよ?」
「OK!!頼りになる~!」
なんか嬉しくないんだけど、と言っている
佐助に雑誌名を告げると、佐助が合点したという風に手を叩いた。
「あの時のアレか!」
「あの時とは?」
「旦那も居たっしょ?ほら、本屋でさ…」
「あぁ!あの破廉恥本の!!」
「破廉恥本!!?」
「それはコッチの話~!へへっ」
男たちの間に何があったかは知らないけれど
破廉恥本なんていう新しい単語を聞けて
ミキの辞書におにゅう単語が登録されたよ。
「じゃあ帰りに買いに行こう!」
「あれ、今日は帰れるのか?」
「うん、たまにはね」
「そうか!楽しみでござるな!」
**
「幸村は私とアッチ見てよう?向こうは破廉恥だから」
「ちょっとちょっと!誰のための買い物だと思ってんの!?」
「見ちゃいけません!」
「うおっ?!」
「ひどッッ!!もういいよ…」
「行ってらっしゃい♪」
ゲーム雑誌兼アダルトコーナーに入っていく佐助を他人のフリで見送って
幸村と向かった先はレンタルビデオのコーナー。
「見ろ、ミキ!ホラー映画特集だ」
「幸村こういうの好きなの?」
「嫌いではないな」
特別好きでもないが…と頭を悩ませる幸村。
「まぁ、好きなのかも知れんな」
「嫌いじゃないから?」
「そう」
「ふーん…じゃあ私もどっちかと言えば好きなのかも。嫌いじゃないし」
「へぇ、意外だな」
「うん、怖くて寝られなくなるんだけどね。…あ、これちょっと前に流行ったよね~」
「・・・そうだったか?」
「そうだよ!!撮影中に何人も亡くなったっていう曰くつきのリメイク物!」
「ああ!そういえば流行ったな!」
あれも、これも懐かしいと様々なホラー映画を手にとって
どっちの方が面白そうかという話に花を咲かせた。
そしてふとミキが1本のビデオを手に取り、
笑顔が神妙な面持ちに変わった。
「これ……本物らしいよ」
「本物…見たのか?」
「ううん、友達から聞いたんだけどね、コレ見て本当に死んだ人居るんだって」
ゴクリ、と固唾を呑む。
「一般投稿なんだけど、電車の中でカメラを回したらそこで…」
「助けてくれ~」
「っっっ!!!!佐助!!!?」
「なーにしてんのかと思ったら。なにこれ?呪いのビデオ?」
ふーん…とビデオを裏に返して説明を読む佐助。
そしてどこか意味深な笑みを浮かべて言う。
「借りてみよっか」
「え!!?」
「あ、お金は俺持ちでいーよ」
「しかし佐助!」
「えー?もしかして旦那、怖気づいちゃった?」
「何!?ありえん!!」
「じゃ、いいじゃん」
そう言うなり佐助は昨年流行ったホラー映画と、
例の呪いのビデオを持って会計へと歩いていった。
それを止めるべくして、ミキが慌てて佐助の前に立ちはだかる。
「佐助!だめだって!やめようよ!!」
「何で?」
「だってほんとに死んじゃったらさぁ…」
「大丈夫でしょ~」
「ヤダ!!駄目ッ!私泣いちゃうよ!?
ホラーでも良いから、せめて違うのにしよう!?」
暫くミキをずっと見ていた佐助だったが、ふぅ、と長く息を吐くと
「わかった」といってミキにビデオを渡した。
「…いいの?」
「こんなのでミキに死なれたくないしね」
「ありがと!」
「その代わりスッゲー怖そうなの借りるから」
「う、うん…!!」
**
「1週間レンタルだから、他の奴らにも声掛けてみるか」
「みたくないよぉお…」
「ダーメ!これが見返りって事で♪」
「そんな…!鬼!悪魔!」
「聞こえません」
「くそう…」
こうして、恐怖のビデオ鑑賞会が始まったのでした…。
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モドル